コーヒー自家焙煎 自宅で最高によいコーヒーを飲むための定石
コーヒーの自家焙煎を始めて10年以上になります。今日は最高に良いコーヒーを飲むための定石をまとめておきます。
コーヒーは自家焙煎する(手網焙煎)
もちろん信頼のおける自家焙煎のお店からフレッシュな焙煎済の豆を調達するのでもよいのですが、自分で焙煎すれば確実にフレッシュなものを圧倒的に安く得ることができます。コーヒーの生豆は年単位で保存ができるので、好みのものを何種類でも手元に置いておけます。煎豆ですとそうはいきません。
手編み焙煎の定石
1.ハンドピック
スペシャルティーコーヒーには少ないですが、モカなんかには結構な数の欠点豆が入っています。面倒でも欠点豆は除去します。
2.手網
私はコーヒー焙煎用の手網を改造して使っています。写真のものは金網の中心部をハサミで切り抜いて豆の色を見易くし、上網を全体的に上方へ膨らませて豆がこぼれにくくしてあります。
3.生豆の量
いつも同じ量を煎るようにします。私は200gに決めています。
4.ガスコンロの火力
いつも同じ火力を再現するようにします。私は台所の3口コンロの一番大きなバーナーの火力調節レバーの中立位置と決めています。炎はやや強火という感じでしょうか。炎はいつも一定にしておいて、焙煎火力の調節は手網と炎の距離で調節します。
5.焙煎時間と豆の温度
焙煎中の豆の温度測定には赤外線放射温度計を使います。これはアマゾンで2000円前後で調達できます。
焙煎の経過時間と豆の温度の関係(温度プロファイル)を次の図に示します。
ケース1は手網を炎から5cm離して焙煎開始したもの。ケース2は10cmで焙煎開始したものです。ケース1ですと1ハゼ開始が5分ですから蒸らしと呼ばれる水抜き工程にかける時間が短か過ぎる感じがします。ケース2はこれが8分30秒くらいですから良いと思われます。
どちらのケースでも1ハゼ開始の温度は205℃前後、2ハゼ開始の温度は240℃前後になっています。この事実はこと水抜きという目的においては時間はあまり関係ないということを暗示しています。しかし、豆の内部の化学反応の進行は変わってくる可能性がありますから、いつも同じ程度の時間をかけるようにします。
なお、1ハゼの中盤以降手網の位置を徐々に高くしています。ケース2では2ハゼにて20cmくらいにしています。2ハゼ以降は豆の状態の変化が早いですから多少でも進行をゆっくりしたいという気持ちです。実際は意味が無いかもしれません。
煎り止の判断をしたら素早く冷却開始します。
6.焙煎度
これは好みですからどこで煎り止にするかは特に言うことはありません。最初のうちは一定の焙煎度合いに習熟することを目指し、安定してきたら豆の種類に応じてバリエーションを試してみるのが良いと思います。
この写真の左はケース1の短時間焙煎によるタンザニア AAA TOP ジャンボの中深煎り、右はケース2のイエメン マタリ No.9の中深煎りです。
煎豆の保存
ガラス瓶などの密封容器で保存しますが、焙煎後の1日は蓋を少し開けておきます。これは焙煎後の豆はしばらくの間ガスを放出するからです。このため焙煎直後の豆から淹れたコーヒーは角の立った味がしますが、一晩置くと味がまろやかに変わってきます。なお、3日目くらいが一番良いという説があります。
コーヒーミル
使用するミルによってコーヒーの味は全く別物に変わります。コーヒーを淹れる直前に豆を挽くのは当然として、ミルは発生する微粉が極力少ないものを使う必要があります。一般家庭用で調達できるものとしてはカリタのナイスカットミル以外に無いと言っても過言ではないでしょう。10年使うつもりで購入すれば安い買い物です。ミルでケチってはいけません。
コーヒーを淹れる
1.淹れ方
コーヒの味云々を言うのであれば、自動のコーヒーメーカーを使うというのはなしです。まあ、カリタ式で良いと思います。
2.淹れる量
条件が変わると味がその都度変わってしまいます。私はいつも3杯分を淹れることにしています。
3.コーヒーポット
お湯を沸かしたヤカンをそのまま使うのはあり得ません。コーヒーを淹れるために作られたポットが色々とありますのでこれを使います。
4.お湯の温度
お湯の温度でコーヒーの味はずいぶんと変わります。お湯の温度を測る温度計は必需品です。もっとも一定の手順が確立してしまえば温度測定は省けるでしょうが。
5.抽出時間
蒸らし30秒。次の表は蒸らしを含めての抽出時間です。
焙煎度 | 湯温 | 抽出時間(±30秒) |
---|---|---|
浅煎り | 90℃ | 2分 |
中煎り | 90℃ | 2分30秒 |
中・深煎り | 85℃ | 3分 |
6.コーヒーを淹れる
YouTubeに動画がいろいろと投稿されているので、これを見て参考にするのが一番良いと思います。