dari88's blog 2

dari88の雑記帳です

今日のコーヒー自家焙煎: 読者が再現するには?

今日はこのブログの読者が焙煎温度プロファイルを再現する方法について書いてみます。

 

手網について

私が使用している手網は十数年前に購入したもので、商品名も覚えていませんでしたが、調べてみると「焙煎職人」というもののようです。直径16cmのものです。

これの上蓋の真ん中に直径約6cmの穴をハサミで開け、網を上方に膨らませて使用しています。

生活のコーヒーを作る目的においては、大きくて重い網は避けたほうが良いでしょう。豆を煎るのに疲れたのでは継続できませんよね。

例えば直径1mの軽い手網があったとします。これでまともに煎れると思いますか? 誰だって無理だと分かりますが、手網の直径は小さい方が有利です。かといって、小さすぎると少量しか煎れません。16cmが最もバランスが良いと思います。

尚、100均の18cmのザルと18cmのストレーナーを組み合わせて使うのは良いのではないかと考えています。200円で適切な手網を作れるはずです。

やはり直径6cmの穴を開けますが、ここから豆の出し入れをすればオーケーです。(^^;;;

写真: 焙煎職人に銀紙ダンパーを付けたもの

f:id:dari88:20141118064550j:plain


豆の量

欠点豆はハンドピックします。豆の水洗いによるチャフ落としは行なっていません。

この手網でいつも生豆200gを煎っています。フルシティーまでなら200gでいけますが、豆が膨らむのでフレンチまでは苦しいと思います。

200gは夫婦で2~3日で飲んでしまう量です。ですから週に2~3回焙煎していることになります。

豆の量を減らすと手網の中の熱容量が減るのと、空気抵抗が減ることにより熱風の通過量が増えるので、温度上昇が早くなると思います。同じ温度プロファイルを再現するには同じ豆の量にして下さい。

 

ガスコンロと火力

手網焙煎には強火の遠火ほど有利です。バーナーの直径も大きい方が太い熱風の上昇気流を得られるので有利です。趣味の世界では9000kのハイカロリーコンロを使用して手網の高さ30cmなどとやっているようですが、家庭で生活のコーヒーを作るのには大げさだと思います。9000kというと10畳用のストーブ3台分くらいですから、夏は暑くてたまらないでしょうし、台所で手網の高さ30cmでは腕が疲れてやってられないでしょう。

うちの台所のコンロの強火の方は、点火すると自動的に中点の火力になります。これはやや強火という感じの炎です。私は10年以上この火力で煎っていますが、一度も困ったことはありません。要は手網の中の豆の撹拌、手網の振り方次第だと思います。

最初はやや強いかなと思う火力で始めてください。手網を炎から10cmにして1ハゼまでの時間を測ります。何回か試行すれば1ハゼまでの時間が7~8分になる火力を見付けられると思います。その時の調節レバーの位置に何か目印を付けておけば毎回同じ火力を再現できると思います。

なお、この火力ですと手はそれほど熱くなりませんから軍手はしていません。

 

手網の振り方

手網の中心が炎の中心から大きく外れない振り方が大切だと思います。私の振り方は円運動で、直径5~6cmの円を描いている感じです。前後方向にやや長い楕円形で、手を引くときに勢いを付けています。毎秒2回転くらいでしょうか、リズミカルに振ります。円運動ですと左右に振る往復運動よりエネルギーのロスが少ないので手が疲れません。この方法ですと豆は常に手網の中をぐるぐる廻っています。手の動きに鍋の返しの動作も入っているので、どの豆も均等に加熱されると思います。

 

温度測定と記録

温度測定にはサインソニック(SainSonic)の赤外線放射温度計を使います。これは約1秒でコーヒー豆の表面温度を測定することができます。アマゾンで2000円前後で入手できます。

左手に温度計を持ち、右手で焙煎します。30秒毎に手網を炎から外して、温度測定して、すぐに炎に戻します。この間5秒以内だと思います。

豆から温度計までの距離は15~20cmくらいです。この温度計の測温範囲は意外に狭く、20cm離した場合は約2cmの円内の表面温度を測ります。ですから、手網の6cmの穴越しにレーザーで狙いを定めれば楽に正しく測温できます。

ネット上で焙煎機の温度プロファイルを見かけますが、測定法も測っている対象も異なりますので温度は違ってきます。焙煎機の場合は熱電対で温度を測っていると思いますが、豆そのものの温度ではなく豆の近傍の空気の温度を測っています。これに対して、赤外線放射温度計の場合は豆そのものの表面温度を測っているという違いがあります。また、熱電対と赤外線放射温度計では測定原理そのものが違いますので、データを直に比較するのは無理があるかもしれません。しかし、どちらにしても再現性さえあれば実用的に利用することは可能だと思います。

焙煎中に手書きのメモを取ることは困難です。ですから、データは声を録音して記録します。私は次のAndroidアプリを利用しています。

 

簡単ボイスレコーダー

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.coffeebeanventures.easyvoicerecorder

 

ストップウォッチタイマー

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hybrid.stopwatch

 

録音を開始したら豆の種類、焙煎方針、初期温度などを記録し、ストップウォッチを起動してスタートします。30秒毎の温度のほか、肌色、1ハゼ、香りなども声にして記録します。豆がはぜる音も記録されますので、後で聞き直せばハゼの終了タイミングもより正確に判断できます。

焙煎が終ったら録音を再生しながらエクセルにデータをインプットして焙煎温度プロファイルのグラフを完成させます。焙煎直後にも試飲しますが、正式の記録は焙煎翌日の試飲結果によるものとしています。

同じ豆を使い、同じ温度プロファイルを再現できれば、ほぼ同じ味のコーヒーを淹れて飲むことが可能だと思うのですが、読者の皆さんもやってみては如何でしょうか?

冷却

焙煎後の豆は急いで冷却する必要があります。私は空気清浄機の出口の風を利用して冷却していますが、扇風機でも、ヘアードライヤーの冷風でも構いませんので急速に冷却する方法を考えてください。

 

チャフのお掃除

生豆の水洗は行なっていませんので、盛大にチャフが飛び散ります。これはちゃんとお掃除しなければ怒られますよね。私はハンドクリーナーでお掃除していますが、TWINBIRDの「ハンディージェットサイクロンEX HC-E251GY」がお勧めです。吸引力が非常に強く頼りになります。Amazonで5000円くらいで調達できます。