今日のコーヒー自家焙煎: 銀紙ダンパーの効果を確認する
12.5cmの定温熱風式でいけそうな感じなので、今日は宿題となっていた銀紙ダンパーの効果を検証してみようと思います。長年手網のコーヒーを飲んでいるものですから、「いぶり臭」と言われるものがどういうものなのか知りません。銀紙ダンパー有り無しで違いが出てくれればよいのですが。
先ずは銀紙ダンパー無しで焙煎し、次に銀紙ダンパーを付けて焙煎します。前回まで銀紙は網の中に付けていましたが、網と銀紙の間にチャフが入り込む問題と、音がうるさくてハゼの音が聞き取りにくいという問題があり、今回は網の外に銀紙を貼ることにしました。
写真:
銀紙は耐久性を考えて、バーベキュー用の厚さ60μmのものを使用しています。排気用の穴は、ダンパーの効果をより明確にするために直径5cmにしてみました。60μmの銀紙は結構しっかりしているので、予め折り目を付けておいてから手網に取り付けてやると上手くいくようです。
ではグアテマラ アグア・ブランカを煎ります。最初は銀紙ダンパー無しです。
焙煎温度プロファイル: #23
温度変化率: 1ハゼ以降 6.0℃/分
焙煎度: 中深煎り
焙煎条件: 手網(銀紙ダンパー無し)、200g、やや強火、
12.5cmスタート、11分30秒で少し下げた
次は銀紙ダンパー有りです。
焙煎温度プロファイル: #24
温度変化率: 1ハゼ以降 6.2℃/分
焙煎度: 中深煎り
焙煎条件: 手網+銀紙ダンパー、200g、やや強火、
12.5cmキープ
両者を重ね合わせると次のようになります。
前の知見と同じく、ダンパーを付けると1ハゼまでの温度上昇は遅くなり、1ハゼ以降は温度上昇し易いようです。同じ豆を煎っていますから、肌色・1ハゼ・2ハゼ・煎り止の温度は同じになります。
今回のデータを見て思うに、1ハゼの期間は温度が上がりにくいように感じます。もしかすると気化熱を奪われる現象が起きているのでしょうか?
では煎り上がった豆を見てみましょう。
写真:
左が#23、右が#24
プロが煎ったフルシティーローストのサンプルと見た目は全く同じ様な仕上がりになっています。さて、お味の方はどうでしょうね?
お味:
抽出: 焙煎の半日後、カリタ式、85℃、3分30秒、300cc
#23と#24を同時に抽出して比較しました。
香味:
#23: ◎ ガテマラです、美味しい
#24: ◎ ガテマラです、美味しい
- 微妙な違いを感じるが、言葉にならない誤差範囲です。多分抽出液の温度の違いです。違うコップを使用したのは問題ですね・・・(^^;;;
考察:
・今回は目標通り1ハゼ以降の温度上昇が6℃/分になりましたが、何か不安定な感触がします。手網の場合、高温短時間焙煎を推奨したくなる気持ちが分かります。
・10cmスタートで、1ハゼが連続し始めたら少し(3~5cm)上げると指導した方が安定していて良いかもしれません。
・結局風味に違いが無いという結果になりました。であれば、外乱に対してより安定と思われる銀紙ダンパー式を当面は採用したいと思います。