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dari88's blog 2

dari88の雑記帳です

今日のコーヒー自家焙煎: バッハの味を再現する?

「設計屋のBLOG」から得られた知見

(株)大和鉄工所の岡崎俊彦さんの「設計屋のBLOG」をひと通り読ませていただきました。コーヒーの自家焙煎をあくまで工学的な視点で見つめていて非常に参考になりました。

大和鉄工所のマイスターという焙煎機はバッハの田口さんとの共同開発なんですね。豆に与えるカロリーは、ガスの火力は一定にして、ダンパー(排気量)で調節するのが基本ということです。

排気量に関する記事を見るとこんな感じです。

 測定条件:
 ガス (LPG)/ガス圧(1.0kPa)/室温15℃/ダクト内径80mm
 ファンモータ回転数  風 速    風 量     風 温(排気温度)
  800rpm・・・4.40m/s・・・1.33㎥/min・・・204℃
 1000rpm・・・5.00m/s・・・1.51㎥/min・・・200℃
 1200rpm・・・5.65m/s・・・1.70㎥/min・・・197℃
 1400rpm・・・6.30m/s・・・1.90㎥/min・・・194℃


ダンパー制御の記事を見ると、ダンパーはプログラム制御になっているようです。「ダンパーをプログラム制御しているデータのたたき台は、当時バッハさんに残されていた3万例近い焙煎記録を基にしたものです」ということですから、大したものです。

  ダンパーのプログラム制御 (実例)
  生豆投入温度を感知して   ⇒ 20% ( 蒸らし開度) から始まり 
  豆温度178℃を感知して ⇒ 40% (1ハゼ開度) に 
  豆温度198℃を感知して ⇒ 60% (2ハゼ開度) に 自動制御


大和鉄工所のコーヒー焙煎機-機械系資料のページにも貴重な資料が掲載されています。「焙煎機の構造について」は是非読んでおきましょう。


温度計測ソフト「シュライバー」のページにある「シュライバーの詳細」にも貴重な情報が含まれています。この資料の図から次のことが分かります。

  • 火力調節は3段階になっている
     蒸らし送風800rpmでスタート
     1ハゼ送風1000rpmは1ハゼの1分くらい前から
     2ハゼ送風1200rpmは2ハゼの1分くらい前から
  • 2ハゼから50秒で煎り止しているので、フルシティーくらいと思われる
  • 全体的に6℃/分で上昇させているが、1ハゼ付近で4℃/分に減速している
  • 煎り止の豆温度は207℃、排気温度は233℃、差は26℃


豆が無いときのファンモータ1200rpmでの排気温度は197℃でした。ということは、吸気は意外に低い温度であり、ドラムの中で暖められて排気されているということでしょうか?

半熱風式ですからドラムからの輻射熱は維持されているので、排気温度も豆温度も最後まで上昇を維持していますが、2ハゼダンパー時に吸気している熱風というのはむしろブレーキになっているように思えます。(ガス圧が若干違うこと、吸気温度のデータが無いので確かなことは言えませんが)

2ハゼダンパーというのは料理でいうと「豚カツは余熱で芯まで火を通す」みたいな状況になっている気がします。

 

これまでの実験から得られている知見

豆の温度上昇の決定要因:
 ① 外部加熱(高温空気の温度と流量)
 ② 気化熱を奪われる現象(主に1ハゼ期間で顕著に影響が出る)
 ③ 豆の自己発熱(主に2ハゼ付近で顕著、煙の量に比例か?)


以下はあくまでも中深煎りでの話しであり、第三者が検証するまでは仮説ですが、

水抜き(蒸らし)の心配は無用
1ハゼまでの温度プロファイルの違いは味に影響しない
1ハゼ以降の温度上昇率が重要、特に煎り止前後のプロセスが味に影響するであろう
http://dari88-2.hatenadiary.jp/entry/2014/11/23/172308

「冷気を入れるとエグミが出る」などということはない。30秒に一回手網を火から外して温度を測っているが、エグミなど経験したことがない。「芯残り」という言葉をよく目にするが、手網には関係ない話し。焙煎機固有の問題であろう。

銀紙ダンパーを付けても燻り臭の心配は無用
http://dari88-2.hatenadiary.jp/entry/2014/11/29/145746

 

焙煎プロセスの設計

では、バッハの味を再現する手網焙煎のプロセスを検討しましょう。

①10cmスタート

中深煎りの場合、1ハゼまでの時間は風味に影響しないことが分かっているので、比較的に温度上昇が早い10cmとします。

②1ハゼ連続で15cmに(元気にハゼない豆は最初のハゼから1分後)

一般的に手網には温度計が付いていませんから、1ハゼの1分前と言われても目安がありません。1ハゼが連続し始めたということは「豆に充分カロリーを与えた」と考えて、ここで15cmに上げることにします。

③2ハゼ連続で20cmに

2ハゼ連続からは豆は自己発熱で酸化反応を続けます。温度を上げ過ぎない、熱暴走を避けるという考え方、むしろ「余熱で芯まで火を通す」くらいの気持ちです。この辺りで案外銀紙ダンパーの保温効果が威力を発揮するかもしれません。

それでは実験してみましょう。バッハの味が再現できるかな?・・・(^^;;;

 

今日のコーヒー自家焙煎

焙煎温度プロファイル: #27

f:id:dari88:20141203201215p:plain

 温度変化率: 1ハゼ以降 5.2℃/分

f:id:dari88:20141203201344p:plain

生豆: タンザニア AA

焙煎度: 中深煎り

焙煎条件: 手網+銀紙ダンパー、200g、やや強火、

      10cmスタート、1ハゼ連続で15cm、2ハゼ連続で20cm

お味: 

 抽出: 焙煎の一晩後、カリタ式、85℃、3分15秒、450cc

 香味: ◎ 嫌味を全く感じさせない良いコーヒー、美味しい
       明らかに一級品のお味です

 

考察:

・美しい焙煎温度プロファイルです。理想的な感じ!

・この温度プロファイルを今後のリファレンスにします。台所の壁に貼って、これを見ながら微調整するというのが良いかもしれません。

・「バッハの味を再現する?」という主題にしておきながら、実はバッハのコーヒーを飲んだことがありません。バッハの味は多分こんなだろうな~と思いながら今朝のコーヒーを美味しくいただきました・・・(^^;;;