dari88's blog 2

dari88の雑記帳です

今日のコーヒー自家焙煎: 徒然なるままに

手網三段焙煎法

前回は大和鉄工所さんの焙煎データからヒントを頂いて新しい焙煎プロセスを設計しました。手網の高さが三段階になっているのでこれを三段焙煎法と言うことにします。

実はこれって私が昔からやっている焙煎法に近いものがあります。以前はだいたい5cmから始めて徐々に上げていき、肌色に変化した頃には10cmくらいで1ハゼを待ち、元気にハゼてきたら色の変化や煙を見ながら徐々に上げていき、2ハゼの頃には大体20cmくらいになっているという感じです。

高さを測ったり、時間を測ったりはしていませんでした。長年やっているうちに自然にそんなやり方になっていたというだけの話です。これでは人に伝えられませんし、再現性がありません。そういうことで、手網で誰でも簡単に失敗なく美味しく煎れる方法を研究し始めたわけです。

高さ一定というのが一番シンプルで、ある面では良いのですが、仕上がりが不安定になると思います。焙煎機のノウハウも取り入れた今回の三段焙煎法で一旦完成としたいと思います。

 

私の思い

焙煎機は誰でも簡単に豆を煎れるように作られているが、だからといって焙煎機だから美味しい豆が煎れるという訳ではない。

手網は焙煎機よりも豆を煎るのが難しいが、だからといって手網だから美味しい豆が煎れないという訳ではない。

 

大火力の焙煎法は多分駄目です

業務用のハイカロリーコンロを使い、30cmスタートで1ハゼ来たら3cm上げるなどという方法は恐らく駄目です。ミディアムローストなら分かりますが、フルシティーローストには無理があります。恐らく仕上がりが非常に不安定だと推定します。三段焙煎法は10-15-20cmですが、30cmスタートの場合、比例算では30-45ー60cmになります。これではアクロバットと言いましょうか、曲芸ですよね。三段焙煎法と同じ温度プロファイルを得ることは出来ないことはないにしても、非常に困難を伴うと思います。多分熱くてやってられない・・・(^^;;;

 

本当の豆の温度を知ることの重要性

焙煎機が測っている豆温度というものは本当の豆の温度ではありません。これに対し、赤外線放射温度計による測定は、焙煎機と違って本当の豆の温度を測っています。焙煎者や機械や測定位置による違いというものは存在しません。ここに極めて重要な意味があります。赤外線放射温度計による焙煎温度プロファイルは単なる傾向値ではなく絶対的なものですから、手網の人でも、焙煎機の人でも、大手ロースターの人でも、誰でも再利用できる共通の物差しなのです。

共通の言語がなければ意思疎通は難しいですよね。コーヒーの世界に魑魅魍魎が住むのは、この共通の言語が無いことが一因なのではないでしょうか?

 

次の課題は何だろう?

手網の標準的な焙煎法が一旦確立したとして、次の課題は何でしょうか。焙煎業者さんが言うところの豆の状態・違いによる微調整や煎り分けでしょうか。プロは再現性ということが最重要課題になると思いますが、アマチュアにとって再現性は重要課題ではないでしょう。要は美味しければよいのであり、失敗して不味いコーヒーにならなければ問題ない訳です。

だとすると、果たして三段焙煎法で不味くなるような豆が存在するのか? ということが次の命題だと思われます。

当分は今回の三段焙煎法でいろいろな豆を煎って、そんな豆が存在するのかを検証していきたいと思います。